【就業規則の作成⑤】労働時間・休憩・休日

今回は就業規則の労働時間、休憩、休日部分について説明します。

1.総則
2.採用
3.異動
4.服務規律
5.労働時間、休憩、休日
6.休暇

7.賃金
8.退職金
9.退職・解雇
10.災害補償
11.安全・衛生
12.教育
13.表彰および制裁

 

★『労働時間、休憩、休日』に記載する事項

の章には、主として労働時間について記載します。労働時間については、広義で休憩・休日も含まれます。

項目  内容
①労働時間及び休憩時間  所定労働時間と休憩時間について記載します。交代勤務制度や変形労働時間制度を利用している場合は、それらの制度についても記載します。
②休日  会社の所定休日を記載します。
③時間外労働及び休日労働 時間外労働、休日労働の有無や、関係事項について記載します。
④事業場外労働、出張時の労働時間   労働時間の算定が難しい場合の取り扱いを記載します。
⑤適用除外 労働時間、休憩、休日の規定が適用されないものについて記載します。

 

★記載例

①労働時間
会社の所定労働時間や労働時間の制度について記載します。休憩時間の自由利用についても明記しますが、外出を会社が把握する必要がある場合は、その旨を記載します。労働時間や休憩については労働基準法で細かく規定されているため、その内容を必ず確認しましょう。
 ※労働時間の説明についてはこちら⇒法定労働時間と所定労働時間
 ※休憩時間の説明についてはこちら⇒休憩時間の基本

第5章 労働時間、休憩、休日
第17条(労働時間及び休憩時間)
1 会社の所定労働時間は、1日7時間40分、1週間38時間20分とする。
2 始業時刻、終業時刻、休憩時間は次のとおりとする。
 ①通常の従業員
    始業8時30分 終業18時10分 休憩時間 正午から13時までの1時間
 ②交代勤務対象者
  A勤務:始業午前8時30分 終業18時10分 休憩時間 正午から13時までの1時間
  B勤務:始業18時 終業午前2時40分 休憩時間 22時から23時までの1時間
3 会社は、少なくとも起算日(毎月1日)の1カ月前までに交代勤務対象者の勤務時間帯を従業員へ周知する。
4 会社は、業務の都合その他やむを得ない事由があるときは、始業・終業時刻を繰り上げ、又は繰り下げることがある。
5 従業員は、原則として休憩時間を自由に利用できる。ただし、休憩時間中に外出する場合は、上司へ報告しなければならない。

②休日
休日についても労働基準法でルールが定められています。適法となるように設定しましょう。振替休日制度を実施する場合はその旨も明記します。
休日の説明はこちら⇒休日の基本
振替休日の説明はこちら⇒振替休日と代休

第18条(休日)
1 会社の所定休日は以下のとおりとする。
 ①土曜日及び日曜日
 ②国民の祝日
 ③会社のカレンダーに定める年末年始休暇及び夏季休暇
 ④その他会社が指定する日
2 会社は、業務上の必要性によりあらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。

③時間外労働及び休日労働
時間外労働や休日労働は、36協定を締結した上で就業規則に記載しなければ従業員に時間外労働や休日労働をさせることができません。したがって、時間外労働及び休日労働の有無やルールを明記します。
時間外労働の説明はこちら⇒時間外労働の基本

第19条(時間外労働及び休日労働)
1 会社は、業務の都合により、所定労働時間を超えて、又は所定休日に労働させることがある。
2 前項の時間外労働及び休日労働について、会社はあらかじめ従業員の過半数を代表するものと書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署に届け出る。
3 時間外労働及び休日労働は会社又は上司の命令によっておこなうものとする。従業員は正当な理由が無いかぎり、時間外労働又は休日労働を拒むことはできない。
4 妊産婦である従業員が請求した場合、第1項に定める時間外若しくは休日又は22時から午前5時までの深夜に労働させることはない。
5 会社は、小学校就学前の子を養育する従業員がその子を養育するために請求した場合、及び要介護状態にある家族を介護する従業員がその対象家族を介護するために請求した場合は、業務の正常な運営を妨げる場合を除き、1ヵ月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせない。
6 小学校就学前の子の養育又は家族の介護を行う一定範囲の従業員で会社に請求した者については、会社は事業の正常な運営を妨げる場合を除き、22時から午前5時までの深夜に労働させないこととする。
7 第5項及び第6項の請求ができる従業員の範囲、請求の手続き及びその他の取扱いについては、「育児・介護休業規程」で定める。第20条(非常時災害の時間外労働)
 会社は、災害その他避けることのできない事由により必要がある場合は、36協定の範囲を超えて労働させることがある。

④事業場外労働、出張時の労働時間
従業員が事業場外で労働した場合や、出張中は労働時間の算定が困難です。こういった場合にどのような取り扱いをするのか明記します。

第21条(出張時の労働時間)
従業員が、出張によりで事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、会社があらかじめ別段の指示をしたときはこの限りでない。 
第22条(事業場外の労働)
1 従業員が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合で、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。
2 前項の場合で、当該業務を遂行するため所定労働時間を超えて労働することが必要な場合は、労使協定で定めた時間労働したものとみなす。

⑤労働時間・休憩・休日の適用除外
労働時間・休憩・休日の規定が適用されない従業員を明記します。
労働時間・休憩・休日の適用除外の説明はこちら⇒労働時間・休憩・休日の適用除外
名ばかり管理職の説明はこちら⇒名ばかり管理職

第23条(労働時間・休憩・休日の適用除外)
次に掲げるものには本規則に定める労働時間・休憩・休日の規定は適用しない。
 ①管理・監督者及び機密の事務を取り扱うもの
 ②監視または断続的労働に従事する者で会社が行政官庁の許可を受けたもの

以上、就業規則の労働時間、休憩、休日に関する説明でした。労働時間関係は労働基準法でも細かく規定されているので、法律と就業規則との整合性を必ずチェックしましょう。

※就業規則の説明については以下参照

1.就業規則とは
2.就業規則の記載内容
3.就業規則の作成手続き
4.就業規則の良し悪し

静岡(清水、藤枝、焼津、島田、富士)の就業規則作成はこちら⇒就業規則作成サポート
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代表 森崎和敏