【就業規則の作成⑥】休暇等

今回は就業規則の休暇等部分について説明します。

1.総則
2.採用
3.異動
4.服務規律
5.労働時間、休憩、休日
6.休暇等

7.賃金
8.退職金
9.退職・解雇
10.災害補償
11.安全・衛生
12.教育
13.表彰および制裁

 

★『休暇』に記載する事項

この章には、会社で適用する年次有給休暇や特別休暇について記載します。休暇については労働者の関心が高い項目ですので明確な定義付けが必要です。

項目  内容
①年次有給休暇 労働基準法で定められている年次有給休暇について、会社のルールを明記します。
②特別休暇  産前・産後休暇や公務休暇など、法的に与えなければならない特別休暇について記載します。
③慶弔休暇 社員が慶弔時に有休とは別に取れる休暇の制度です。法的な義務はありませんが、慶弔休暇があった方が就業環境としては良く評価されます。

 

★記載例

①年次有給休暇
年次有給休暇は勤続年数に応じて付与日数が法律で定められています。法定以下の条件にすることはできません。
 ※年次有給休暇の説明についてはこちら⇒年次有給休暇の基本

第6章 休暇等
第24条(年次有給休暇)
1 会社は、下表の勤続年数に応じ、所定労働日の8割以上を出勤した社員に対して次の表に掲げる年次有給休暇を付与する。

勤続年数

6か月

1年
6か月

2年
6か月

3年
6か月

4年
6か月

5年
6か月

6年
6か月以上

年次有給休暇日数

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

2 社員は、年次有給休暇を取得しようとするときは、特別の理由がない限り少なくとも5日前までに、申し出るものとする。ただし、会社は、事業の正常な運営に支障があるときは、社員が休暇と指定した日を変更することがある。
3 前項の規定にかかわらず、各社員の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える日数について、労使の協定により、あらかじめ時季を指定して与えることがある。
4 第1項の出勤率の算定につき、次の各号に掲げる期間は出勤したものとみなす。
 ①業務上の負傷、疾病による療養のための休業期間
 ②産前産後の休業期間
 ③年次有給休暇を取得した期間
 ④育児介護休業法に基づく育児休業及び介護休業期間
5 年次有給休暇は1日を最少単位として取得することとする。ただし、特別の事情がある場合は、午前または午後のみの半日取得を認めることがある。
6 当該年度に新たに付与した年次有給休暇を取得しなかった場合、その残日数は翌年度に繰り越される。

②特別休暇
特別休暇には様々な制度があります。ここでは法律で決められている休暇制度を記載します。

第25条(産前産後の休暇)
1 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性従業員が申し出た場合には、その請求に応じ産前休暇を与える。
2 出産した女性従業員は、出産日から8週間の産後休暇を与える。ただし、産後6週間を経過し、本人から請求があった場合には、医師により支障がないと認めた業務へ就かせることがある。
3 産前・産後の休暇は無給とする。
第26条(母性健康管理のための休暇)
1 妊娠中または出産後1年を経過しない女性従業員から、所定労働時間内に母子保健法に基づく保健指導または健康診査(以下「健康審査等」)を受けるため、通院に必要な時間について休暇の請求があったときは、次の範囲で休暇を与える。
 ① 産前の場合
    妊娠23週まで           4週に1回
    妊娠24週から35週まで  2週に1回
    妊娠36週から出産まで   1週に1回
    ただし、医師または助産師(以下「医師等」という。)がこれと異なる指示をしたときには、
    その指示により必要な時間。
 ② 産後(1年以内)の場合
     医師等の指示により必要な時間

2 妊娠中または出産後1年を経過しない女性従業員から、健康審査等に基づき勤務時間等について医師等の指導を受けた旨申し出があった場合、次の措置を講ずることとする。
 ① 通勤時の混雑を避けるよう指導された場合は、原則として1時間の勤務時間の短縮又は
    1時間以内の時差出勤
 ② 休憩時間について指導された場合は、適宜休憩時間の延長、休憩の回数の増加
 ③ 妊娠中または出産後の諸症状の発生または発生のおそれがあるとして指導された場合は、
   その指導事項を守ることができるようにするため作業の軽減、勤務時間の短縮、休業等

3 前各項の措置のうち、通院のための休暇、勤務時間の短縮および休業の措置中の賃金の取り扱いは無給とする。

第27条(育児休業・介護休業)
1 従業員は、1歳(育児・介護休業規程で定める特別の事情がある場合には1歳6ヵ月)未満の子を養育するため必要があるときは、1ヵ月前までに会社に申し出て育児休業をすることができる。
2 1歳に満たない子を養育する従業員であって育児休業を取得しないもの又は1歳以上3歳未満の子を養育する従業員は、会社に申し出て、育児・介護休業規程に定める育児短時間勤務等の措置の適用を受けることができる。
3 要介護状態にある家族を介護する従業員は、会社に申し出て介護休業し、又は育児・介護休業規程に定める介護短時間勤務等の措置の適用を受けることができる。
4 育児休業及び育児短時間勤務の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、『育児・介護休業規程』の定めるところによる。
第28条(子の看護休暇)
1 小学校就学前の子を養育する従業員は、会社に申し出ることにより、子の看護のために、4月から始まる1年度内に5日の範囲内で、休暇を取得することができる。
2 看護休暇の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、『育児・介護休業規程』の定めるところによる。
3 第11による休暇は無給とする。
第29条(育児時間)
 生後1年に満たない生児を養育する女性従業員が申し出た場合は、所定休憩時間のほか、1日に2回、それぞれ30分の育児時間を与える。ただし、その時間に対する賃金は支給しない。
第30条(生理休暇)
 生理日の就業が著しく困難な女性従業員が休暇を請求したときは、必要な日数の休暇を与える。ただし、その期間中の賃金は支給しない。
第31条(公民権行使)
 社員が勤務時間中に選挙その他公民としての権利を行使するため、申し出た場合は、それに必要な時間を与える。ただし、その時間に対する賃金は支給しない。

③慶弔休暇
慶弔休暇は企業が任意に設定する休暇です。従業員が働きやすい環境を作るために設定する企業が多いです。日数は企業が独自に決めます。

第32条(慶弔休暇)
 従業員が次のいずれかに該当する場合は、本人の申請により有給の特別休暇を与える。
 ① 本人が結婚するとき               5日  
 ② 子が結婚するとき                  1日
 ③ 妻が出産するとき                  1日
 ④ 父母(養父母、継父母を含む)、配偶者、子(養子を含む)が死亡したとき
             社員が喪主の場合          5日
           社員が喪主でない場合    3日
 ⑤ 同居の祖父母、同居の義父母、血族の兄弟姉妹が死亡したとき    2日

以上、就業規則の休暇等に関する説明でした。

※就業規則の説明については以下参照

1.就業規則とは
2.就業規則の記載内容
3.就業規則の作成手続き
4.就業規則の良し悪し

静岡(清水、藤枝、焼津、島田、富士)の就業規則作成はこちら⇒就業規則作成サポート
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代表 森崎和敏