平成22年4月に改正労働基準法、改正育児介護休業法が施行される予定です。多くの企業では法改正のために就業規則を変更する必要があります。法改正のたびに就業規則を変更するのは手間がかかりますが、就業規則を事業の円滑運営のためのツールとしてとらえ、有効に活用すれば手間がかかるだけの効果があります。法改正は、就業規則のレビューやチェックをする機会として捉えれば煩わしさもなくなります。そこで就業規則について、その重要さや作成のポイント等を連載したいと思います。
就業規則とは
就業規則は、労働条件や職場で守るべき規律等を文書で定めたものです。常時10人以上の労働者を使用する事業主に作成義務があります。労働基準法第89条に以下のとおり就業規則の作成について定めがあります。
(労働基準法第八十九条より抜粋)
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。 |
このよう法律に定めがあるため、常時10人以上の従業員を雇用する事業主は就業規則を作成しなければなりません。
※常時十人以上の労働者とは
労働者が10人未満になることがあったとしても、常態として10人以上の労働者がいる場合は就業規則を作成しなければなりません。この「労働者」にはパートタイム労働者やアルバイト、臨時職員など全ての労働者を含みます。 例1 正規社員10人 ⇒作成義務あり 例2 正規社員5人+パート5人 ⇒作成義務あり 例3 正規社員0人+アルバイト10人 ⇒作成義務あり |
作成しない場合は、以下の通り罰則規定があります。
労働基準法百二十条より抜粋 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、~中略~第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者 |
就業規則作成のメリット
罰則があるから作らなければならないという考え方もありますが、就業規則を作るメリットが大きいから作ると考えたほうが良いでしょう。何事を行うにしてもルールが明確になっていなければ、いろいろなことが裁量で運営されてしまい組織が機能しなくなってしまいます。就業規則を作るメリットを以下に挙げます。
就業規則の効果 |
◎労使間のトラブル予防・解消できる ◎コンプライアンス(法令順守)に役立つ ◎ルールが明確になり、真面目に働いている社員や会社を守れる ◎問題社員への適正対応がとれる ◎公平・公正感の醸成による労働者のモチベーションを向上させる |
特に労使間のトラブルが急激に増えている昨今では、「労使間のトラブルをなくす」というメリットが大きいです。(労使間のトラブル増加についてはこちら⇒あおいブログ)
そして、職場のトラブルを防止することが職場の活性化につながります。
今回は就業規則とは何かを説明しました。
次回は就業規則に盛り込むべき内容について説明します。
◆就業規則の情報は以下参照
1.就業規則とは 2.就業規則の記載内容 3.就業規則の作成手続き 4.就業規則の良し悪し |
※静岡(清水、藤枝、焼津、島田、富士)の就業規則作成はこちら⇒就業規則作成サポート
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代表 森崎 和敏