【就業規則】就業規則の良し悪し

今回は「就業規則の良し悪し」について説明します。

良い就業規則と悪い就業規則

良い就業規則と悪い就業規則の違いはどこにあるのでしょうか。以下に、その違いをあげます。貴方様の会社がどちらに当てはまるのか確認してみましょう。

良い就業規則 悪い就業規則
◎労使間のトラブル予防・解消できる
コンプライアンス(法令順守)に役立つ
◎ルールが明確になり、真面目に働いている
社員や会社を守れる
問題社員への適正対応がとれる
公平・公正感の醸成による労働者のモチベーション
を向上
させる
×規則が曖昧で労使間のトラブルの基になる
×コンプライアンス(法令順守)をみたさない
×数年前からの法改正についていけていない
×ルールが不明確で、混乱を招く
×問題社員への対応が十分にできない
×不公平感を招き、労働者のモチベーションダウン

良い就業規則は上表のようなものをいい、これが就業規則のメリットになります。

 

良い就業規則の一例、トラブル回避

就業規則は「就業規則とは」で解説したように、法律上の作成義務(従業員10人以上の場合)があります。しかし、法的要件を満たすだけの就業規則を作ったのでは、就業規則のメリットを半分も享受できません。良い就業規則とは法的義務以外のプラスアルファの効果を持っています。その中でも、近年増加している労使トラブルの予防・解消についてここでは説明します。どんなトラブルを防止するためにどんな規定を設ければ良いのでしょうか?思いつきで決めても良いのでしょうか?
以下に、労使トラブルに対する就業規則の成功例をあげます。

事例 就業規則への記載 結果
私用メールや私用インターネットを会社でおこなっている社員に罰則を与えたら、社員が不当だと訴えてきた。 就業規則の服務心得に私用で会社の設備等を利用してはならない旨が明記されていた。 裁判所は会社の判断が妥当であると支持した。
体調不良の社員に再三の受診命令をしたにもかかわらず、その社員が拒否するため、罰則を与えたら、社員が不当な罰則だと訴えてきた。 社員は健康管理に努める旨上司の健康に関する指示に従う旨が明記されていた。 裁判所は会社の判断が妥当であると支持した。

これはほんの一例です。この2つの項目は、特に法律上で就業規則への項目が義務付けられているわけではありません。企業が任意で設定したものです。トラブルになりそうな事象についてはこのように全て網羅するのがベストです。

 

 就業規則の良し悪しは作り方で決まる

適切な知識とノウハウに基づいた規則は「良い就業規則」になり得ますが、雛形や他社の真似をしている規則はよほどの偶然がない限り「良い就業規則」になれません。以下に良い作成例と悪い作成例をあげます。

良い作り方 悪い作り方
◎自社に最適なオリジナルの規則を作る
◎最新の法改正情報が反映されている
◎経営陣と人事労務管理部門の総意で作る
労務管理ノウハウが盛り込まれている
◎誰が読んでもわかり易い内容
×他社の規則を真似
×雛形やテンプレートをそのまま利用
×社長または人事部長が独断で作成
×人事担当者が本を見ながら作成
×労働局が作っている例をそのまま利用

悪い作り方に該当する方法で就業規則を作るのであれば、むしろない方が良いでしょう。良い作り方で作成した就業規則はそのメリットを十分に享受できます。しかし、良い作り方で作るには専門知識と労務管理のノウハウが必要です。人事担当者がベテランで、労務管理を熟知しているのであれば、その担当者を中心に作成するのが良いでしょう。もし、そういった者が企業内にいないのであれば社会保険労務士や人事コンサルタントなどの専門家を活用するのが良いでしょう。ただし、専門家を活用する場合は、その専門家の得意分野や就業規則の熟練性等を十分に考慮して選択しましょう。

◆就業規則についての情報は以下参照

1.就業規則とは
2.就業規則の記載内容
3.就業規則の作成手続き
4.就業規則の良し悪し

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あおいマネジメントサービス
代表 森崎和敏