18日、東京地裁で日本マクドナルドの社員が急死と業務とに因果関係があると認められる判決がありました。
日本マクドナルドの元男性店長代理(当時25歳)が勤務中に急性心不全により急死したことに対し、労働基準監督署は労働者災害補償保険の遺族補償給付を不支給としました。つまり、労基署は業務と当該社員の病死とに因果関係がないと判断したのです。これに対し、遺族が遺族補償給付の不支給取り消しを求め、裁判を起こしました。
当該社員は1999年4月に入社し、2000年6月から川崎市内の店舗に勤務しました。そして2000年11月、出勤した後に倒れ死亡しました。判決では「同社の業務形態は深夜勤務を含む不規則なものであり、正社員はサービス残業が常態化していた」と指摘、当人が病気を発症するまでに月80時間以上の時間外労働が相当あったとし、業務と病死との因果関係を認めました。
ちょうどブログで労働時間管理の重要性を説明したばかりですが、改めて労働時間を管理することの重要性を痛感しました。
事件のポイントはいくつかあります。
①サービス残業が常態化していたこと
②労働時間管理がおろそかだったこと
③長時間労働者に対する健康管理が不十分だったこと
④労基署は労災と認めなかったこと
⑤遺族の悲しみははかり知れないこと
該当者が自分の身内だったらと思うと、とても切なくやりきれない気持ちになります。さらに、企業の労働時間管理を取り締まる労働基準監督署と裁判の判決が異なることに対しても疑問を感じます。実際に、過去にも労基署と裁判の判決が異なったケースがあります。このようなことがあると、企業はその対応で非常に大きな負担になりますし、社会的信用も失墜しかねません。何より無念なのは亡くなった方であり、遺族の方々です。
このようなことを今後起こさないためにも、労働時間管理は必ず行いましょう。
※労働時間関係の解説は以下参照ください。
1.高まる労働時間管理の重要性 2.法定労働時間と所定労働時間 3.時間外労働の基本 4.割増賃金 5.休憩の基本 6.休日の基本 7.振替休日と代休 8.労働時間・休憩・休日の適用除外 9.名ばかり管理職 10.年次有給休暇の基本 |
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