今回は、給与計算後の支払いについて説明します。
給与計算を実施して給与を支払い、社会保険関係の届出をして一安心・・・と思いきや、保険料や税金の支払いが待っています。滞納すると延滞金を徴収されますので忘れてはならない作業です。給与計算後に支払いが必要な項目は以下の通りです。
所得税 | 給与から天引きした所得税を翌月10日までに支払います。ただし、10人未満の企業でしたら「納期の特例届」を提出することで半年に1回の支払いに変更できます。 |
住民税 | 給与から天引きした住民税を翌月支払います。市町村によってい支払い先が異なるため、注意が必要です。 |
社会保険料 | 健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料のことです。当月徴収した分を翌月支払います。支払い方法は振り込みや引き落としなど保険者によって異なります。 |
★源泉所得税の支払い
税務署から所定の申告用紙が毎年末に法定調書と共に各事業所に配布されます。この申告用紙に課税対象額と源泉所得税を記載し、金融機関等で支払います。
支払期日 | 申告用紙 | 支払い先 | 備考 |
翌月10日 | 「給与所得、退職所得の 所得税徴収高計算書」 |
国 (最寄りの金融機関または所轄税務署経由) |
従業員10人未満の場合、納期の特例に関する申請書を税務署提出すれば半年に1回(6月10日、12月10日)の支払いでOK |
★住民税の支払い
住民税も毎月給与から控除して支払わなければなりません。住民税は従業員の1月1日時点の住所地の都道府県および市町村に支払うため、全員分をまとめて一括で支払うことができません。従業員の住所地ごとの支払いが必要なため、事務手続きが煩雑です。従業員住所地が複数ある場合は、金融機関や郵便局での支払い手続きが現実的です。
支払い期日 | 申告用紙 | 支払い先 | 備考 |
翌月10日 | 「住民税の納税通知書と納付書」 | 1月1日の従業員住所地の市町村(当該市町村または金融機関・郵便局へ納入) | 市町村長の承認を受ければ半年に1回(6月10日、12月10日)の支払いでOK |
★社会保険料の支払い
社会保険料の支払いは「健康保険料(介護保険料含む)」と「厚生年金保険料」の支払いが必要です。
項目 | 支払 期日 |
申告用紙 | 支払い先 | 備考 |
厚生年金保険料 | 翌月 末日 |
「納入告知書」 | 年金事務所 | 口座振替申請書を提出すれば口座振替も可能 |
健康保険料 及び介護保険料 |
翌月 末日 |
保険者による | 保険者 (健康保険組合又は協会けんぽ) |
保険者によっては口座振替も可能 |
これらの支払い事務も給与計算事務の一部です。ここまで完了してようやく1カ月の給与計算事務が完了したことになります。忘れずに手続きを行いましょう。
※賃金・給与計算に関する情報は以下参照
◎賃金(給与)の基本 ◎賃金(給与)の決定方法 ◎給与の全体像 ◎給与計算の手順 ◎給与計算前の情報収集 ◎給与計算の実施 ◎給与の支払い ◎給与計算後の届出 ◎税金、社会保険料の支払い ◎給与計算のアウトソーシング(代行委託) |
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代表 森崎和敏