『産業保健体制の整備3 ~教育~』
前回までは、産業保健体制の「ルール整備」について説明しました。
今回は『教育』について解説します。
1.体制作り(法定) 体制作り(任意) |
衛生管理体制・組織の整備 |
2.ルール整備 | 規程・ルールの明確化 |
3.教育 | ルールや基礎知識の教育・周知徹底 |
4.適正運用 | 規程・ルールに則した効果的な運用 |
★教育の必要性
前回までに、「1.体制作り」「2.ルール整備」について説明しました。
この体制やルールが整備されていても、あるだけでは意味がありません。
産業保健体制が根付かない理由は、この体制とルールの整備までして安心し、その先の運用まで辿り着かないからです。
体制とルールを適正に運用するためには、その存在を知ってもらう必要があります。そして、知ってもらうために、今回の「教育」が必要になるのです。
★教育の種類
産業保健体制を適正に運用するためには、以下の教育が必要です。
労務管理の研修 | 働く人間の一般的なルール、すなわち労働法関係の知識を習得する。 |
健康管理の研修 | 働く人間の自己の健康管理や、部下の健康管理に関する基本的な知識を習得する。 |
社内の体制・ルールを知るための研修 | 会社の産業保健体制やルールを全従業員が把握できるように周知徹底する。 |
★教育のポイント
教育はそのやり方によって効果は様々です。せっかく時間を割いて教育したにも関わらず効果が出ないのでは意味がありません。そこで、より効果的な教育を行うためのポイントを以下に揚げます。
◎教育・研修を実施する前に、その目的や背景、方針を周知する。 ◎経営トップや役員が積極的に参加・協力する。 ◎単発で終わらず、定期的に実施する。 ◎毎年行われる健康診断の結果配布とともに実施すればより効果的になる。 ◎役員、管理職、一般職など役割の違いに応じて異なる研修を実施する。 ◎ポスター、社内報、メールニュースなどで啓蒙する。 |
効果的な研修・教育をおこなうことで、整備された産業保健体制やルールが活きます。
体制・ルールの整備に留まらず、教育・研修を実施してから運用に取り組みましょう。
以上、「教育」についてでした。
次回は「適正運用」についてです。
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代表 森崎和敏