今回は就業規則の採用部分について説明します。
1.総則 2.採用 3.異動 4.服務 5.労働時間、休憩、休日、休暇 6.賃金 7.退職金 8.退職・解雇 9.災害補償 10.安全・衛生 11.教育 12.表彰および制裁 |
★採用に記載する事項
採用の章には採用前後の手続き、採用後の試用期間等について記載します。採用についても総則同様に法的な記載義務はありませんが、採用に関するトラブルは大変多いため、ルールを明確にする必要があります。
項目 | 内容 |
①採用手続き | 採用に関する手続きを記載します。 |
②内定取消 | 採用内定の取消は一定の条件の下で認められます。経済状況の悪化により採用内定に関するトラブルが増加しているため、労使共に内定取消時のルールを明確にすることをお勧めします。 |
③採用時の提出書類 | 採用が決定してから会社に提出書類を明記します。従業員が必要書類の提出を拒まないように就業規則で規定します。 |
④試用期間 | 試用期間中のルールを明確にします。試用社員には正社員と異なる取り扱いをするケースが多いためその内容を明確にします。 |
★採用の記載例
①採用手続き
採用の手続きは採用の手順を記載します。
第2章 採用第5条(採用手続き) 会社は、入社を希望する者のうちから採用試験を実施して選考し、所定の手続を行った者を従業員として採用する。 |
②内定取消
内定取り消しを行う際はトラブルが起きやすいため、そのルールを明確に示します。
第6条(内定取消) 会社は、次のいずれかに該当する場合は採用内定を取り消すことがある。 ①採用選考時の提出書類に虚偽の記載があったとき ②採用内定後、入社日までの間に採用内定者の健康状態が悪化し、業務に耐えられないと会社が判断したとき。 ③学校の卒業、資格の取得などの採用前提条件が達成されなかったとき ④採用内定後、採用内定者が犯罪行為など会社の従業員となることに相応しくない事件を起こしたとき ⑤採用内定後、予期せぬ会社の経営環境の悪化により事業運営の見直しが必要になったとき |
③採用時の提出書類
採用時の提出書類は、提出する書類の内容、提出期間、書類の利用目的を明記します。
第7条(採用時の提出書類) 1 従業員として採用された者は、次の書類を採用日から14日以内に提出しなければならない。 ①入社時の誓約書 ②身元保証書 ③住民票記載事項の証明書 ④年金手帳 ⑤雇用保険被保険者証 ⑥その他会社が指定する書類 2 前項の書類提出後、記載事項に変更があったときは速やかにこれを会社に届け出なければならない。 3 第1項の提出書類は、人事異動、給与計算、賃金の決定等会社の人事・労務管理の目的のために利用する。 |
④試用期間
試用社員については、試用期間や試用期間中の解雇に関するトラブルが多いです。トラブルを未然に防ぐために試用期間中のルールを明記します。
第8条(試用期間) 1 新たに採用した者は、採用した日から3カ月間を試用期間とする。ただし、会社が必要と認めるときはこの期間を延長又は短縮することがある。 2 会社は試用期間中の従業員が次のいずれかに該当するときは、本採用を取りやめ、解雇することがある。 ①勤務成績又は出勤態度が悪く、改善が見込めないとき ②会社が相当な教育を実施したにも関わらず、職務を遂行する能力が不足しているとき ③採用時の提出書類に虚偽の記載があったとき ④健康状態が悪く、業務に耐えられないと会社が判断したとき ⑤規則に定める服務規律に違反し、改善が見込めないとき ⑥規則に定める解雇事由に該当したとき ⑦その他上記に準じる事由が生じたとき 3 試用期間中の従業員には、本規則に定める休職規定は適用しない。 4 試用期間は勤続年数に通算する。 |
以上、就業規則の採用に関する説明でした。
※就業規則の説明については以下参照
1.就業規則とは 2.就業規則の記載内容 3.就業規則の作成手続き 4.就業規則の良し悪し |
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代表 森崎和敏