こんにちは。今週のブログ担当の森です。
「パナマ文書」が話題に上がって久しい今日この頃。
ご存知の方もいるかと思いますが、この「パナマ文書」とは、
パナマのモサック・フォンセカという法律事務所によって作成された文書で、
このモサックが、いわゆる「タックスヘイブン」を利用して、
世界の富裕層や有名企業の租税回避行為のお手伝いをした際の資料が流出したのです。
そもそも「タックスヘイブン」とは、税金負担が著しく低い、若しくは全く無い国や地域のことを言います。
具体的には「パナマ」「ケイマン諸島」「バージン諸島」などです。
そして、ここにペーパーカンパニーを設立し、利益を移転したりして租税回避行為が行われているのです。
ここで整理をしてみましょう。
「脱税」や「節税」など、似たような言葉がありますが、それぞれ意味合いは全く違います。
「脱税」は犯罪です。捕まります。非合法の税逃れ行為を、一般的には「脱税」と呼んでいます。
売上を除外したり、架空経費を計上したり・・・。
「節税」はセーフです。合法的に税金を減らす行為。言葉を変えると「合法的な税逃れ行為」です。
生命保険を使ったり、リースを使ったり、消耗品を買ったりするのもこれに該当します。
今回登場した「租税回避行為」というのは、いわゆる「税金を逃れる(減らす)行為」の総称を言います。
誰もが税金を少しでも減らすためにいろんな策を講じると思いますが、これは「租税回避行為」です。
つまり、納税しているほとんどの人や企業が「租税回避行為」を行っていると言えます。
違いは「合法(節税)」か「非合法(脱税)」かであって、通常は「合法的な租税回避行為」を行っています。
では、今回のパナマ文書に載っているような富豪たちが、いわゆる「脱税」を行った犯罪者なのか?というと、
詳しくは判りませんが、おそらく「節税」に分類されるでしょう。つまり「合法的な税逃れ行為」です。
「タックスヘイブン」というものが世界で認められているのなら、
そこをうまく使って税金を減らそうと考えるのは決して間違いではありません。
企業にとって税金は「コスト」と考えられることが多いので、「コスト」を少しでも減らそうと考えるのは普通の考えです。
今回、名前が挙がったような富裕層や有名企業が、いかにも「脱税」しているかのような報道に少し違和感を覚えます。
たとえ「合法な節税」だとしても、我々のような一般ピーポーは、その恩恵を受けられず(というか縁が無い)
そのような「スペシャル租税回避行為」を、一部の富裕層や有名企業だけが行っているという事が、本当の問題だと思います。
これでは格差が広がるわけですね・・・。早速その節税スキームを勉強しようと思います・・・(笑)。